レコードの内袋・外袋、サイズはどう選ぶ?LP・EP別の目安と、買い替えなくていい条件
合わないサイズの外袋はジャケットの角や帯をこすり、密閉しすぎたビニール内袋は盤に張り付いて音溝に影響することがあります。
やることは枚数と元の袋の状態を確認してから、サイズと素材を選ぶことです。枚数が少なく、元からある紙袋やビニール袋が破れたり変色したりしていないなら、内袋・外袋を今すぐ買い直す必要はありません。買い足すのは、帯付き日本盤や見開きジャケットなど、手放しにくいと感じる盤からで十分です。
表レコード袋のサイズ早見表
外袋・内袋のサイズは、盤の直径だけでなくシングル用か見開き用かでも変わります。表の数値は袋メーカーの規格表と、主要製品の仕様から確認できた範囲です。
| 盤種 | 外袋の目安 | 内袋の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| LP(12インチ)・見開き | 325×330mm前後 | 308×308mm前後 | 厚み#40ミクロン目安。見開き対応をうたう製品もある(例: 325×325mm・PP100μ・30枚入り) |
| LP(12インチ)・通常 | 321×322mm前後 | 308×308mm前後 | 内袋はHDPE製・厚み#30ミクロンが目安 |
| SP(10インチ) | 275×275mm前後 | ー | 外袋規格のみ確認。内袋のサイズは今回未確認 |
| EP(7インチ) | 190×195mm前後 | 180×180mm前後 | 厚み#30ミクロン目安(例: 190×190mm・PP100μ・20枚入り) |
古いレコードは経年による寸法誤差が縦方向を中心に3〜5mm程度生じることがあります。表の数値ぴったりを狙うより、数mmの余裕を見て選んでください。
レコードを守る道具棚
枚数が少なく元の袋が健在なら、今日は買わなくて大丈夫です。買い足すときはサイズ表(本文の早見表)を先に確認してください。
素材はおおまかに3系統に分かれます。ビニール(塩ビ)製の内袋は透明で見た目がよい一方、ぎっしり詰め込んだり積み重ねたりすると圧力で盤に張り付き、ビニール成分が音溝に影響します。普通紙の内袋は酸性紙が使われがちで、50〜100年という長いスパンでは劣化しますが、半世紀程度なら実用上問題ありません。グラシン紙・中性紙は長期保存向けの素材で、1950年代の米盤にも使われたグラシン紙は繊維が剥がれにくく、中性紙は劣化の可能性が大幅に少ないとされます。帯電防止加工のある内袋は、静電気によるホコリの吸着と出し入れ時のまとわりつきを軽減します(例: 307×307mm・50枚入り)。
脅合わない袋を選ぶと何が起きるか
早見表と素材の話を先に見たのは、合わない組み合わせで何が起きるかを知ってから選んだほうが、基準がぶれないからです。
起きやすいのは、素材の選び方に起因するトラブルです。ビニール内袋にぎっしり収納すると圧力で盤に張り付き、可塑剤が盤面に移って白濁(いわゆるビニール焼け)を起こすことがあります。普通紙の内袋も無縁ではなく、酸性紙が使われがちなぶん50〜100年という長いスパンでは劣化が進みます。半世紀程度なら実用上問題ありませんが、孫の代まで残すつもりなら話は別です。
もう一方は、サイズと帯電の見落としです。見開きジャケットや帯付き盤に通常サイズの外袋を使うと窮屈になり、出し入れのたびに角や帯がこすれます。帯電防止加工のない内袋も同じで、静電気を逃がせないままホコリを吸い寄せた状態で収納されます。技術部が袋を選ぶときに見ているのは、音溝とジャケットの角を守れるかどうかだけです。見た目のかっこよさや値段の高さでは選びません。
盤が袋にべたつく ・ 白く濁って見える ・ ジャケットの角がつぶれる ・ 出し入れでホコリが目立つ
守選ぶ順番
技術部の考えはシンプルです。全部の盤に同じグレードの袋は要りません。目安にしているのは、枚数と、手放しにくいと感じる度合いの掛け合わせです。
枚数と元の袋の状態を見る
破れや変色がなく、枚数も少なければ、ここで様子見にして構いません。買い直すのは、この先の手順で足りないと分かってからです。
買わなくていい条件を先に確認LP/EPでサイズを確認する
盤の直径だけでなく、見開きジャケットや帯の有無でも必要な余裕が変わります。
LP325mm前後・EP190mm前後素材を選ぶ
普段よく聴く盤はビニールでも密閉させなければ大きな問題にはなりにくいですが、長期保存はグラシン紙・中性紙を優先します。フタ付きでホコリの侵入を防ぎ、開口部にマチがある紙製内袋なら、出し入れでの傷も防ぎやすくなります。
グラシン紙・中性紙、フタ付き・マチ付き優先度が高い盤から帯電防止を足す
帯付き日本盤や見開きジャケットなど、手放しにくいと感じる盤から帯電防止内袋をそろえます。
帯電防止内袋307mm前後古い盤は数mmの余裕を見る
経年で縦方向を中心に3〜5mm程度の誤差が出ることがあるため、ぴったりのサイズより少し余裕のあるものを選びます。
経年で3〜5mm程度の個体差紙のジャケットや帯が日焼けする詳しい仕組みは、今回確認できた資料の範囲でははっきりしません。分かっているのは、直射日光を避けた場所に置くという点だけです。季節ごとの置き場所は夏の保管ガイドで扱います。
証確認元
ナガオカ公式 商品ページ JC30LP・JC20EP・GRS-LP10・RS-LP2(確認日 2026-07-18)
袋メーカー ワークアップ公式「レコード用袋のサイズ一覧と選び方について」(確認日 2026-07-18)
オーディオテクニカ公式「レコードを長持ちさせる『内袋』の選び方と扱い方」(確認日 2026-07-18)
IASA-TC05 §3.6 Light, ultraviolet (uv) radiation, x-rays(確認日 2026-07-18)
Qよくあるつまずき
Q内袋と外袋、両方いりますか?+
役割が違うので、両方使うほうが安心です。内袋は盤面、外袋はジャケットと帯を分けて守ります。枚数が少なく元の紙袋が健在なら、今は外袋だけでも足ります。
QLPとEPで内袋・外袋は共用できますか?+
サイズが違うため共用はおすすめできません。LPは外袋325mm前後・内袋308mm前後、EPは外袋190mm前後・内袋180mm前後が目安です。
Q見開きジャケットも同じ外袋で入りますか?+
厚みが増える分、通常サイズだと窮屈になりやすいです。見開き対応をうたう製品もあるので、厚みを見てサイズを選びます。
Qビニールの内袋は使ってはいけませんか?+
だめではありません。ぎっしり詰めたり積み重ねたりすると盤に張り付きやすくなる、という条件つきです。日常的に聴く盤には使えますが、長期保存はグラシン紙や中性紙のほうが向きます。
Q古い盤にサイズがきつい・緩いときはどうしますか?+
経年で縦方向を中心に3〜5mm程度の誤差が出ることがあります。ぴったりのサイズより少し余裕のあるものを選ぶと、無理に押し込まずに済みます。